幸せの欠片たち。
ぎゅーっ


「まじかぁー!お前どんだけ、俺のこと煽るんだよ〜。今年はいきなりだから、貰えないと思ってたのに…ほんっと、最高なんですけど!」



急に、強く強く抱き締められて、目を白黒させてしまったけれど、彼の鼓動がさっきよりも早くなっているのを聞いて、良かったと安堵する。


「待ってるから」

「ん。分かった…だから、お前は俺の前でだけ可愛くしてて」

「…えいちゃんもね!他の人に格好いいとこ見せちゃ駄目なんだから」


そんなことを言い合っていたら、一階からお母さんの声が聞こえてくる。


「お二人さーん!熱々なのもいいけど、お母さんもそろそろ仲間に入れて下さいな〜」


その一言で、すぐに帰るって言っていたのに、気付けば彼が私の部屋に入ってから、かなりの時間が過ぎていて…二人で顔を見つめてから、照れ笑いを交わした。


「お母さんも、ああ言ってるし…下行こ?」

「だな…でも…ちょっと待って」

「…ん?」

「とりあえず、ホワイトデーよりも先に、渡したい俺の気持ち…」

「…っ?!」


可愛いリップ音だけを残して、彼は私の口唇にキスをしてから、とっても楽しげに耳へと囁いた。


『美南が世界で一番好きだ』


と…。


舞散る雪が全て溶けて、そのまま様々な木々の花たちが芽吹いていくように、私の中を確かに埋め尽くす『幸せの欠片たち』…。


それは、もう。
この先の二人を結ぶ、大きい純白の約束へと繋がっていくんだろう。

だから。

小さな、勇気を重ねた私と。
それをずっと受け止めていてくれた貴方との。


これからへ続く愛の素となるのでしょう。



Fin.






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