強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
──わたくしは、どうしてこんなにも藤太を探してしまうのだろう。
その答えを、わたくしはまだ見つけられずにいる。
「瞳さん」
突然、背後からかけられた声に肩が跳ねる。
「……裕大叔父様」
人好きのしそうな笑顔を浮かべて、叔父様が佇んでいた。
柔和な表情は尚人さんそっくり。
だけど、その目の奥には冷厳とした光が隠されているとわたくしは知っている。
「息子とは……尚人とは話ははずんだかい?」
「ええ、久しぶりで……つい話し込んでしまいましたわ」
当たり障りのない受け答えに、叔父様は何も言わない。
そのままゆったりした足取りでわたくしに近づいた。
「そうか……良ければどんな話をしたのか、私にも教えてくれないか?」
「別に……ただの思い出話ですわ」
「そうか……」
叔父様は窓へと顔を向けた。
わたくしも外の庭へと意識を向ける。
「……今日は驚いただろう」