強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ



 お父様や家──自分が考えていかねばならない全て。

 わたくし自身で解決しなければならないことだ。初めて会ったばかりの男の子に話す必要なんてない。


「……極々、個人的なことです」

「そっか」


 藤太はそれ以上踏み込んでこなかった。

 でも、少しだけ声のトーンを落とした。


「無理してる?」

「……いいえ」

「本当に?」


 こんなに簡単に見抜かれてしまうだなんて、わたくしはどうしてしまったのかしら。


「俺、そういうのよく気づくから」

「そういうの?」

「無理して平気な顔してるやつ」


 藤太の静かな声が耳を打った。


「チビたちが色々飲み込んで笑うときに似てるよ」

「弟か妹がいるんですね……」

「同じようなもんだな」

「同じ……?」

「施設のチビたちなんだ」


 そこで初めて、わたくしは彼の名前や見た目以外の情報を知った。


「あなた、施設で暮らしてるんですか?」



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