強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
「では、どうして……」
「話し合いは十分にしました」
「でも、みそら園を残す方法については──」
「瞳さん」
叔父様がさえぎった。
「これは久保寺家の経営に関わる問題です」
「わかっています」
「なら、感情だけで反対するのはやめなさい」
「感情だけではありません」
思わず声に力が入った。
「みそら園には、そこに暮らしている子どもたちがいます」
「それもわかっています」
「なら──」
「だからこそ、移転先を用意します」
叔父様はひょうひょうとした顔で伝えてきた。
「新しい施設に移ればいいんです」
私は言葉を失った。
新しい施設。
確かに、それなら子どもたちの居場所はなくならないのかもしれない。
でも、あそこは藤太が育った場所だ。
美緒が残りたいと思った場所。
何より、子どもたちにとっての「家」なのだ。
「……藤太には」