強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
そこまで事情を聞いて、はたと気づく。
「まさか、その怪我は……」
「久保寺家のボディーガード……みたいな人たちに、庭小屋で頭冷やせって」
内臓を冷たい手でつかまれたような気がした。
藤太はさりげなく目を逸らしながら続ける。
「チビたちがどう思うかも考えないで、勝手に決められるのがどうしても納得できなかった」
「……」
「俺は高校生だし、施設がなくなってもなんとかなる。でもチビたちは大人の都合で振り回される」
その言葉を聞いて、唇に歯を立てた。
彼は自分のためだけに来たわけじゃない。自分より弱い子たちのために、たった一人でここまで来て、そして……。
「……馬鹿な人ですね」
「そうだな」
「無茶なことをして」
「褒めてないよな?」
「当たり前でしょう!」
「ひっど」
藤太は苦笑したけど、その表情はどこか嬉しそうで調子が狂ってしまう。