強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
13.お嬢様、執事の決意を聞く



 庭小屋を出たあと。

 わたくしたちは、尚人さんに連れられるまま屋敷の応接室へ向かった。

 けれど。


「瞳さん」


 尚人さんが振り返る。


「ここから先は、僕と野澤くんだけで話させてもらえないかな」

「……」


 胸が騒ぎ、無意識に藤太に目を向けた。


「でも……」

「大丈夫」


 尚人さんは、いつもの穏やかな笑顔を浮かべた。


「怒鳴ったり、責めたりするつもりはないよ」


 その言葉に、わたくしは少しだけ迷った。

 藤太を見る。

 彼もわたくしを見ていた。


「……二人にしてくれ」


 わたくしは小さく頷いた。


「何かあったら、すぐ呼んでください」

「うん」

「藤太も」

「わかってる」


 そう答えた彼の声は、少しだけ硬かった。

 わたくしは二人を残して、部屋を出た。

 閉まる扉の、その向こうでわたくしの知らない話が始まる。

 なぜだか、ひどく嫌な予感がした。


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