強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ



 数日後。

 家族会議が開かれた。

 大きなテーブルを囲む親戚たち。

 以前なら、この空気だけで緊張していたと思う。

 けれど、今日は違った。

 わたくしは資料を手に立ち上がった。


「本日は、施設について提案がございます」


 叔父様が眉を上げる。


「瞳さんが?」

「はい」


 わたくしは資料を配った。


「みそら園の収支表を確認いたしました」

「……赤字だな」

「赤字の原因は、施設そのものではなく維持費です」


 親戚たちが資料を見る。


「今の運営方法ではお金がかかりすぎるのです」

「その通りだ」

「土地を売れば施設の維持費を心配する必要もなくなる」


 奥にいる親戚の言葉に、わたくしは次の資料を示した。

 過去の施設利用記録と、地域との関係性がわかる資料だ。


「施設出身者の中に、地域で働いている方がたくさんいます。……ただ子どもを預かっているだけではありません」


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