強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ



 藤太がうつむく。


「ちょっと、信じられなくて」

「どうして?」

「だって……」


 藤太が顔を上げる。

 その目には、今まで見たことのないほど真っ直ぐな光が宿っていた。


「俺も」

「……え?」

「俺も、瞳が好き」


 心臓が、大きく跳ねた。


「……本当に?」

「うん」

「本当に、本当ですの?」

「何回聞くんだよ」

「だって……」


 嬉しくて。

 涙が出そうになる。


「ずっと前から?」

「ずっと前から」

「いつからですの?」

「それは……」


 藤太が少し考える。


「たぶん」

「たぶん?」

「最初に会ったときから、気になってた」


 わたくしは目を瞬いた。


「あの、雨の日?」

「うん。拾われた日」

「それを言うなら保護した、です」

「どっちでもいい」

「よくありません」


 わたくしは口をへの字にした。

 でも、藤太はすぐに真面目な顔になった。


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