強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
「じゃあタオルを──」
「ドライヤーを持ってきますから、それで乾かしてください」
強引に話を進めさせてもらった。
……こうでもしないと、絶対に遠慮するもの。
また何か言う前に、ソファから立ち上がってキャビネットの上部に設置してあるドライヤーを外す。
充電がされているのを確認すると、有無を言わせず戻って手当てを再開した。
藤太は少しだけ目を丸くしただけで、大人しく身を任せてくれた。
その顔を見て、少しだけ安心している自分に驚いた。
──どうしてわたくしは、こんなに親身に接しているんだろう。
施設のことがあるから?
怪我をしていたから?
……あまりの状況に気が動転しているのかもしれない。
わたくしはそうに違いないと決めつけて、包帯を巻き終えた。
「これで少しはマシでしょう」
「ありがとう」
「……」
お礼の言葉に、一瞬だけ手を止めた。