強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
3.お嬢様、男の子を執事にする
「ふむ……その野澤藤太くんの許可は取ったのだね?」
あの雨の夜から三日後、お父様の意識は回復し、早々に起き上がて溜まった仕事を持ってくるよう田中に言いつけていた。
さすがにまずは治すのが先決だとお母様からお叱りを受け、表面上は大人しくしている。
わたくしはそんなお父様の病室を訪れ、ちょっとした“お願い”をすることにした。
「寝てるだけしかできないからね、できることなら何でも協力しよう」
お父様は上機嫌に取り合ってくれた。
ずっと家や仕事に関われないのを歯がゆく思っているところにつけ込む形にはなってしまったけど、背に腹はかえられない。
わたくしが藤太の事情を説明し、彼を執事として雇いたいと頼み……先ほど藤太の意思を聞かれたところだ。
「はい、先日電話したときに確認いたしました」
「そうか……でもどうしてわざわざ執事に?」
「わたくしの側に置き、施設について詳しく聞くためです」