強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ



 お父様は細くなってしまった指であごを撫でた。


「それだけではないだろう」


 わたくしは両手を握りしめた。お母様と同じく、お父様には隠し事などできない。


「彼を守るためです……あの一件で、目をつけられているでしょう。なら少しでも近くにいてもらいたい」

「なるほどな」


 ベッドに横たわるお父様の顔色は、以前よりも血色がいい。

 すぐにでも退院できそうだけど、まだまだ投薬やら精密検査やらが待っているそうだ。

 だから今、久保寺家は叔父様たちが中心だ。わたくしはそれを横目で眺めているだけだった。


「瞳、本気なんだね」


 お父様はどこか嬉しそうにわたくしの手を取った。


「みそら園について、ちゃんと自分で調べます」

「そうか」

「閉鎖して土地を売却するしかないのか、存続させる別の方法があるのか……まだ何一つわかりません」


 わたくしはお父様の手を握った。温かさに背を押された気分になる。



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