強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
「みそら園ともきちんと話すこと。こちらの勝手で進めずないようにね」
「はい」
「ちゃんと契約書も用意すること。勤務時間や給与や休みについては本人と相談しなさい」
わたくしはお父様に言われたことを聞き漏らさないよう、メモを取った。
「施設側の許可、契約書……」
「正式には見習いという形になるだろうな。学校が終わったあと屋敷で仕事をして、夜にみそら園に帰る生活が望ましいか」
「そのサイクルを提案してみます」
「ああ、何か部活をしているならそっちを優先してもらって」
「ええ」
それから、わたくしとお父様で藤太を雇うための大まかなプロセスを計画し、次の日にはみそら園に約束を取り付け話し合いの場を設けた。
みそら園の方々は大層恐縮していたものの、無事に藤太は久保寺家で働くことになった。
表向きは、使用人見習いとして。
実際には、私付きの執事見習いとして。