強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
わたくしは髪を耳にかけた。
「……これで終わりですわね」
「ああ」
「あの人たちを調べてこれから釘を──」
そこまで言ったところで、視界が揺らぐ。
「……あっ?」
足から力が抜けたのだと、へたり込んでから気づいた。
「瞳」
身体まで倒れそうになる。
けれど、地面にぶつかるすれすれで持ち直した。
藤太がわたくしを支えて、立たせようとしてくれている。
「大丈夫か?」
「……な、何ともありません。このくらい……」
「腰抜けてんだろ」
「何ともありませんわ……」
「全身震えてるし」
「……」
言われないと気づけなかった。
自分の両手を見ると、細かく震えて止められない。
「怖かったろ」
「……」
「……俺もだよ」
「……本当に」
声がどうしても震えてしまう。
「本当に少しだけ、怖かったです」
藤太はそれに口を開かない。