強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ



 ビクリと震えたのがわたくしにもわかった。


「君に責任はない……と言っても、納得しないのだろうね」

「……」

「それじゃあ、先ほどあったことを警察の人に詳しく話してくれるかい?」

「……わかりました」

「君の責任はそれで取ったということにしよう」


 わたくしは他の使用人に手を取られ、自室へと連れていかれそうになる。


「藤太!」

「大丈夫、すぐ戻る」


 藤太はわたくしに笑いかけると、田中と一緒に警官の元へと行ってしまった。


「お嬢様、お部屋で手当てをいたしますから」

「……そうね、お願い」


 これ以上ここにいても、使用人を困らせるだけ。

 わかりきっている事実に、わたくしは足をノロノロと動かした。

 今になって、つかまれた腕がジクジクと痛みを訴える。

 藤太と一緒のときは平気だったのに、どうしてだろう。


「……藤太くんは、きっと大丈夫ですから」

「……ええ」


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