強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
5.お嬢様、執事と約束する
その日の夜。
二人きりになった庭のベンチに並んで座り、今日の事件について話し合っていた。
「……それで、警察からはお咎めなし、でしたのね?」
「ああ、あいつらのことは任せてほしいって」
「それは良かった」
「良くないだろ」
うつむく藤太の表情は暗い。
「俺がもっと上手くやっていれば、こんなことにはならなかった」
「藤太」
わたくしは彼の前に立ち、頬をはさんで顔を上げさせた。
「胸を張りなさい」
「……」
「正しいことをしたのだと、誇りなさい」
「瞳、俺は──」
「あなたはわたくしの使用人です。あなたの責任は、わたくしの責任でもあります」
藤太が目を瞬かせる。
わたくしはそのまま続けた。
「命令です──一人で背負い込むのは、もうやめなさい」
藤太の表情が、ふっと緩んだ。
「わかった──瞳も、そうしてくれるなら」
「……わかりました」