強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
「はい」
「私は美緒。 葛木美緒。藤太の幼なじみ」
「幼なじみ……」
「うん。ずっと一緒に育ったから」
美緒が笑った。
その笑顔は、嫌味がない。
むしろ、とても自然だった。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ」
わたくしも微笑む。
けれど、胸の奥がほんの少しだけざわついた。
幼なじみ。
その言葉が、なぜか引っかかった。
「藤太から聞いてます。みそら園のために、本当にありがとうございます」
美緒が深々と頭を下げてきた。
「……いいえ、わたくしがどうしてもとお願いして、協力させていただいてるんです」
「それでもありがたいです。私もできることは何でもするつもりですから、どんなことでも言ってください」
「おいおい、俺を忘れるなよ」
「藤太は危なっかしいもの」
美緒は悪びれもせず言った。
「俺はいつもちゃんとしてる」