強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
「してない」
「してる」
「してない」
「……」
藤太が押しに負けている。
わたくしは二人を見ながら、少しだけ笑ってしまった。
「仲がいいんですね」
口にしてから、なぜか少しだけ後悔した。
「まあね」
美緒が快活に笑う。
「腐れ縁ってやつ」
「誰が腐れ縁だよ」
「藤太、今日ちゃんとご飯食べた?」
「……」
「食べてないんだね?」
「食べた」
「メニューは?」
「……忘れた」
「食べてないじゃん!」
美緒が呆れたように叫ぶ。
「だから言ったでしょ、無茶するなって」
「お前まで瞳みたいなこと言うなよ」
「え?」
わたくしは思わず藤太を見る。
「今、わたくしみたいって……」
「いや、似てるなと思って」
「どういう意味ですの?」
「心配性ってこと」
「誰のせいですか」
「俺?」
「そうです」
美緒がわたくしだったらたちを交互に見る。