強気で完璧なお嬢様は執事の前でだけヘタレ
そしてふっと笑った。
「なるほど」
「何が?」
「どうかしまして?」
「ううん。何でもない」
その笑い方が少し気になったけれど、喉の奥に押し込めて、みそら園の全体を案内してもらうことにした。
「お二人とも、みそら園を見せてくださる?」
「もちろん、一番近いところから行こう!」
美緒が嬉しそうに施設の中を指差した。
藤太は軽く肩をすくめて、わたくしと一緒に美緒の後に続く。
小さな食堂、子どもたちの部屋、職員の方が使う事務室。
どこを見ても、決して裕福とは言えない。
でも、子どもたちの笑い声が聞こえる。
壁には、手作りの飾り、写真、誕生日を祝った跡。
ここには、ここでしか作れない時間がある。
「藤太」
「ん?」
「あなたが守りたい理由、少しわかった気がします」
「……そっか」
藤太が穏やかに笑う。
「お姉ちゃん!」