婚約者の浮気相手は母でした。
 もちろん、現実と向き合うのは辛いが、それでも立ち向かえそうである。
 私達は、少し乱れていた服や髪を正してから部屋から出て行く。とりあえず今後のことを、お父様と話すとしよう。

「……あら? お父様?」
「アルメア、それにイルルド、二人とも一緒だったか……」
「ええ、二人で休んでいたんです。もしかして、私達を呼びに?」
「ああ、そうだ。少しこれからのことを話したくてな」

 そんな風に部屋を出た私達は、少し焦ったような顔をしてこちらに来るお父様を見つけた。
 どうやら、同じ理由で私達を探していたらしい。ただなんというか、様子が変だ。まさかお母様が、もう帰ってきたのだろうか。

「お父様、どうかされたのですか?」
「少々厄介なことになったのだ……」
「えっと……私の部屋で話しましょう」

 とりあえず私は、お父様を部屋に招いた。
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