婚約者の浮気相手は母でした。
「いや、少し気になったんだ。その、二人は年も離れているし、とてもそういう関係にはなりそうにないからさ」

 私が落ち着いたからか、イルルドは自らの疑問を口に出した。
 彼の疑問は、当然のものだ。普通に考えたら、二人はそういう関係になり得ない。もちろん会う機会は度々あったはずだが、一体いつ何があって関係を持ったのだろうか。

「……私が見る限り、アプローチをかけたのはリビルト様だと思うわ。お母様の方は、一歩引いている感じだったから」
「人妻を、それも婚約者の母親を口説いたということか……」
「ええ、もしも本当なら控えめに言って最低だけど」

 リビルト様は、お母様にかなり熱を持っていたような気がする。
 一方、お母様の方はいつか身を引くつもりと言っていた。その認識の違いから考えると、どちらかというとリビルト様からと考えるべきではないだろうか。
< 16 / 116 >

この作品をシェア

pagetop