~best friend~ふたりで図る距離(こい)の行方。
「付き合うって聞いたときもびっくりしたし。私,彼方はほのんの事が好きなんだと思ってたわ」
どんっと胸で音がなって,俺は無意味に素手に手にしている教科書を探すふりをした。
「そんなんじゃない。友達の1人だよほのんは」
「ま,そーよねー。疑っててごめんって話。ほのん同じこと言ってたし,好きな人欲しいって,あれ本気みたいだし」
さらりと告げて,ユミは教室へ戻っていく。
ほのんは友達が多いけど,ユミの事は普通より少しだけ信用しているように見えていた。
そんなユミにまで話していると言うことは,やっぱり数時間前の話も嘘じゃないんだと思う。
ほのんも言ってた同じこと。
友達なんて言わなきゃよかったと,余計なことを知ったと後悔した。
ーそんなほのんの本気を,現実を俺が感じるのに,時間はあまりかからなかった。