~best friend~ふたりで図る距離(こい)の行方。
「ほのん,俯かないで。急でごめん。昨日のも関係なかった」
太ももの上で固まる両手を。
それを上回る強さで彼方が触れた。
体温が急上昇する。
顔も同じ熱さになって,じわりと手の中が湿った。
「ほのん。好きだ。俺と付き合って」
前よりもっと一緒にいたいとか,どんなところが好きだとか。
色々言葉をくれたけど。
この時点で,私はもう彼方のことしか見えなくて,なにも聞こえてこなかった。
「……私? ……」
「ほのんしか,いない」
その瞬間,ぷくりと涙が浮かんだ。
えっと彼方が驚いたように立ち上がる。
静寂を切り裂くように,ひっと1度も出なかった嗚咽が飛び出して,私は彼方の押さえていた両手で顔を覆った。
「かな,た……っ」
「……なに,ほのん」
心配そうに近づいた彼方の腕を,片手で繋ぎ止めるように握る。
「すきっ……。彼方のことが,すきだったの……なのに,彼女とか作って,いきなりで」