この結婚には愛しかない
「...強引なミシェルをはっきり断るために、初めて彼女...莉央に対する想いを口にしたんだ。さっき改めて言葉にすると想いが溢れて止まらなくて、」
「俺が聞いてやるから安心して話せばいい」
「彼女が恋しい。一目会いたい、抱きしめたい。好きだと伝えたい」
前職で傷付いた彼女との出会い。共にすごした1年間。別れの日の彼女の涙。メッセージだけの繋がりの現状を、ひとつひとつ丁寧に話した。
大切な宝箱をあけるように、彼女への想いを吐き出した。
そうしていると、いつの間にか涙は止まった。
さっきは歪んで見えなかった、ジェイデンのブルーの瞳がはっきり見えた。
「いつ彼女を好きになったんだい?初めから1年と区切られていたなら辛かっただろう」
「いつ...分からない。気が付けば彼女が心にいた。彼女の全てが愛おしいんだ。可愛い声も顔も、穏やかな性格も。綺麗な所作も丁寧な仕事も。彼女といると疲れが吹き飛ぶんだ。最後に泣いている彼女を抱きしめた時、俺も涙をこらえるのが必死だったよ」
「さっき迎えに行きたいって言ってただろ?でも彼女は東京にいないんだろ?」
「そうだな...1年後か2年後、必ず彼女を迎えに行くよ。今行くわけにはいかない。ホールディングスにいる間に種をまいておく」
「ホールディングスにいる間って、」