この結婚には愛しかない
「そう。費用対効果とか人時生産性とか。キミならすぐ頭で弾いて答えが出るだろうけど、全社員が答えを出せなくていいんです。ただ徹底して意識付たい。社員のコスト意識の強さは企業力に直結しますから」

黙る長谷川くんに、神田専務は効果的に答えを求めた。


「できる?できない?」

「...できます」

長谷川くんならそう答えることを分かっていたかのように。


「優秀な中途社員が他にも多数います。アイデア次第ではコストを最小限に抑えて教育できませんか?私はこれを皆さんから提案して欲しかった。もちろん、指導者には指導者向けの別途教育が必要ですが。これも後で人事部長も含め個別に話しましょう。半導体事業部は、今の計画は一旦白紙にしてもう一度練り直しましょう。では次の事業部お願いします」


波乱の幕開けとなったビジョン10の初回検討会議は、この日17時45分まで続いた。

まだまだ続くかと思われた会議は、神田専務が会食に行かれたので、翌日に持ち越しとなった。


この会食は珍しく神田専務が楽しみにされていたもので、専務がこちらに来られて初めて開催される、県内企業の経営者が集まる異業種交流会という名の立食パーティだ。

それが終わったら、今夜もうちに来てくださるので、それを励みに残業がんばろう。
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