この結婚には愛しかない
横になろっかと言われ、ベッドに横になった。伊織さんの大きな身体に後ろからすっぽり包まれ、2人で一緒に物件を見ていく。


「でもね、交換条件って言われてワクワクしちゃったよ。それに仕事のスピード感が合うのも早瀬社長ともっと話したいと思ったところのひとつ。駆け引きとスピード。うちの営業に指導して欲しい。誰かいい営業知らないかって聞いたら笑われたよ」

伊織さんが楽しそうで嬉しい。

マンションは3軒のひとつひとつがコンセプトが違って、そのどれもが良すぎて、私には決められそうにない。


「伊織さんが気に入った物件ありますか?私は選べそうにないので決めていただけると嬉しいです」

実はここがいいんだ。と言い最初の物件を再度表示し、部屋の間取り図や写真を開き、キッチンで手を止めた。


「デザインが好みなのはもちろんなんだけど、莉央との生活を1番イメージ出来た。この広いアイランドキッチンで料理するの喜びそうだな。とかね」

「対面だから、リビングやダイニングにいる伊織さんが見れますね」

「そうだね。俺からも見れるね。駅が近いのもいいんだけど、俺は会社まで車で20分っていう距離がいいなって思った。車で帰ってる時って、妙に頭が冴えて仕事のこと考えるのにちょうどいいんだ」

「じゃあ私も引っ越したら車通勤したいです」

伊織さんが仕事に注力できる環境がいい。今日の会議の厳しさも、全ては会社のため。私たち社員とその家族のため。

それから、疲れた伊織さんが帰ってきたくなるような家にしたい。
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