この結婚には愛しかない

「お疲れ様です。伊織さんどうされてるかなと思って。完全な公私混同です」

「悪い子だね。公私混同はコンプライアンスに関わるよ。鍵閉めておいで」

「鍵閉めろって、伊織さんの方が公私混同です」

「ははっそうだね」

伊織さんが笑顔で。いつも通りの笑い声を聞かせてくれてほっとした。


「ハグしてもいいですか?」

「うん。お願い」


デスクの後ろに回り、椅子に座ったままの伊織さんを抱きしめた。

伊織さんも私に腕を回して胸に顔をうずめ、すーーっと大きく息を吸った。


「伊織さんっ?」

「ははっ莉央吸い。ずっと莉央の胸に顔をうずめて思いっきり堪能したい」

「私は猫じゃないです!」

「癒されるよ」

「(そんなこと言われたら拒絶できない...)」

「ごめんね25から出張になって。26の朝イチであっち出たとしても帰ってくるまで7時間はかかるから温泉キャンセルしなきゃね」

「気にしないでください。温泉はいつでも行けますから。キャンセルしておきますね」
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