この結婚には愛しかない
「うん。かなり生真面目で公私混同しない人だから杞憂だと思うんだけど、もしかしたら受注がゼロになったの俺のせいかもって勘ぐっちゃって。25日に会ってくるよ」

「はい。ここから応援してます」

「ありがとう。元気出た」


恐ろしいほど頭がキレる伊織さんは、きっとひとつの事柄に対して10も20も考えられているんだと思う。

一緒に仕事をしていたらわかる、常に多方面に意識を持って、あらゆるリスクを未然に防ぎ、常に会社の利益や発展を考えられている。


「伊織さん今日お帰りは何時になりそうですか?何食べたいですか?ご飯作って待ってますね」

「今日はもう帰るよ」

「じゃあお鍋したいです」

「いいね。莉央といると本当に心が和むよ」


私を下から見上げる表情が柔らかくて安堵する。

私は何があっても伊織さんを支えます。1番近くで、全身全霊を傾けて。でも私だけじゃ到底全てが補えるとは思えないんです。

「伊織さん。経営者の大先輩である早瀬社長ともっと親交を深めてくださいね。早瀬社長をきっかけに広がった人脈も。赤澤さんとは年齢も近いし、赤澤さんと飲むの楽しいって言われてましたもんね。同じ立場同士でなきゃ分かり合えない部分もたくさんありますよね」

「莉央どうしたの?」

「先日湊さんと休日を過ごされたけど、仕事関係以外の友人をここでもたくさん作ってくださいね」
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