この結婚には愛しかない
マンションに帰り常駐の警備員さんに挨拶をした後、エントランスのオートロックにカードキーをかざしていたら、後ろから「あ!」と声が聞こえた。

振り返ると、大きな紙袋を持った、あのグリーンショップの顔見知りの若い男性店員で。


「神田さんですよね?」

「はい。どうされたんですか?こんなことろで...」

「ご主人から花束の注文をいただいて、お届けに上がりました」

「主人からですか?」

「はい。2、3日前に注文メールの後電話ももらったんで。あ、もしかしてサプライズですかね」


弾ける笑顔でそう言われ、紙袋ごと花束を受け取った。

ずっしりと重いその中を確認すると、ローズやガーベラがたっぷりのクリスマスっぽい赤と白の花束で、メッセージカードが付いていた。


【Merry Xmas
今夜は一緒に居られなくてごめん
莉央いつも愛してるよ 伊織】


「(伊織さんっ!)」

「間違いなさそうですね...ありがとうございました」

「寒い中ありがとうございました。気をつけて帰ってくださいね」


エレベーター前で2個目のオートロックを解除し、カードキーをカバンにしまったかわりにスマホを取り出した。
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