この結婚には愛しかない
「あの...お2人はどんなご関係なんですか?」


ずっと知りたかった。聞かないと決めてから頭の奥底にしまいこんでいたけれど。

「ん?仕事で何度か一緒になっただけだよ」

「そうなんですか?」

「伊織!教えてあげなさいよ。シンガポールのあのホットな夜のこと」

「ああ、君の色仕掛けに乗らなかった蒸し暑い夜のこと?」

「ほんと嫌味な男!あなたは私にこう言ったのよ。迎えに行きたい子がいる。抱きたいのもその子だけだって。あの時の相手はリオなんでしょうね?」

「ああ、もちろんだよ」


伊織さんと離れていた3年間にいただいた画像をまとめているフォルダの存在が見つかってしまった夜に、どこの国の画像かをベッドの中で説明していただいたことがある。

伊織さんに愛された後だったので、すぐ眠ってしまい、翌朝続きを教えていただいた。その中の、比較的前半にシンガポールの画像が何枚かあった。


「こんなに美人でセクシーな女性の誘いを断ったんですか?」

男の人は好きじゃなくてもできると言う。でも私を想って断っただなんて、嬉しくてたまらない。


「俺は莉央しか欲しくないから。それに恥じらう莉央がめちゃくちゃに乱れる姿ほどセクシーなものはないよ」

「伊織!そのくらいの日本語は分かるから!」

「ははっ君に聞かせてるんだよ。莉央をいじめた仕返しだよ」

伊織さんを怒らせると怖い。仕事でもプライベートでも。
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