この結婚には愛しかない
第1会議室のドア前に立ち、ノックを3回。

「「失礼いたします」」


防音仕様の会議室のドアを開けると、賑やかな話し声が一気に漏れてきた。

お辞儀をし顔を上げ、上座に座る男性と目が合って、息が止まった。


その男性は目を細め、微笑んでくださった。

目が離せない。


「(神田さん!)」


こんな所にいるはずがない人。

あの日から3年も経ったけど、見間違えるはずがない。

座っていてもわかる、近づけば見上げるほど高い身長、小さな顔。その顔の全てのパーツは整いすぎていて、おでこを出し、ナチュラルにセットされた黒髪。

あの頃と変わらないお姿に、胸の鼓動が早く強くなる。


神田さん...これは夢ですかね?会いたすぎて、ついに幻が見えるようになったんですかね?


今日はどうされたんですか?

出張ですか?それとも、また1年間の出向で一緒に働けるんですか?

いずれにせよ、お会いできてとても嬉しいです。嬉しくて嬉しくて心臓が壊れそう。
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