この結婚には愛しかない
「あ!美味いですよね神田さんのラーメン。結構前に宅飲みした時ラーメン作ってくれたんですけど、チャーシュー手作りで美味かったです」

「...へえ、そう」

「いつも頼んでないのに絶対何品か作ってくれるんすよね。あれなんだったっけ...えびめしだ。神田さんの地元のご当地グルメらしいんですけどあれも美味かった。専務も食べたことあります?」

「ははっ、腹立たしいね。俺の食べたことない莉央の料理食べてるんだ。そもそも莉央の手料理を何度も食べてることも許し難いのにね」

「(!!...やべえやらかした)」

「長谷川くん、ここ割り勘ね」

「は?無理っすよ!」

「ははっ冗談だよ。これはお礼だから」


だから、目が笑ってないんだって。

普段怒らない専務が怒ったらヤバいって、つい先日の支店長事件で知ったばかりだから余計焦る。


俺のことそれにそんな警戒しなくても、引越しの日に終始無自覚イチャコラな2人見て、心の整理ついたから。

あの日やっと、小泉さんのこと“神田さん”って呼べたから。
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