この結婚には愛しかない
【お疲れ様です
夜分遅くにすみません
どうしても神田さんに聞いて欲しいことがあってメッセージを送らせていただきました
なんと、佐和にめちゃくちゃ素敵な彼氏ができました!
自分の事のように嬉しいです!】

へえ、宮内さんに。笑顔のキミが脳裏に浮かぶ。嬉しくて“佐和”と書いてしまっているあたり、可愛くて仕方ない。

【神田さんはバッティングセンター行かれたことありますか?
今日連れていってもらったんですけど、めちゃくちゃ楽しかったです!
これなら大谷くんの球も打てそうだと言うと、かすりもしねえよって笑われちゃいました
はまっちゃいそうです
夜分にすみませんでした
おやすみなさい】

誰だよ。誰に連れていってもらった?かすりもしねえって誰に言われた?宮内さんの彼氏?長谷川くん?それとも別の男?

はまるって?

バッティングセンターに、だよね?誰に、じゃないよね?


クローゼットの最上段。大切に保管している紙袋を取り出し、その中の手紙とジュエリーボックスを手に取った。

2年前にキミからもらった手紙を読んだ後、ジュエリーボックスを開けた。購入以来、初めてだ。

光が反射しキラキラと輝くリングを見て、そっと瞳を閉じた。


瞳を閉じれば、笑顔のキミに逢える。

2年経過しても、キミの笑顔は色褪せるどころか、このリングよりも輝いているんだ。


受け取ってもらえる未来を信じて。

これを身につけ、俺の隣で笑っているキミを想像し、嫉妬や不安を抱えたまま眠りについた。
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