この結婚には愛しかない
定刻に専務室に入ると、神田専務はデスクでパソコンに向かっていた。

それからすぐこちらに来られた神田専務に、大森室長が長谷川くんを紹介した。長谷川くんは名前を名乗り簡単な挨拶をした。


「先日の数字の分析ありがとう。短期間だったのに求めていた以上だった」

「...恐縮です」

2人もハグするのかなと思ったのだけど、ハグも握手を交わすこともなかった。男性同士はそれが当たり前なのかな。覚えてたら佐和に聞いてみよう。


先日座ったソファーの1人がけに神田専務。私たち3人は向かいの大きいソファーに座った。

神田専務と目が合い微笑んでくださったのだけれど、少し疲れたご様子。


「打ち合わせ前に別件。小泉さんに私のスケジュール管理をお願いしたいんだけど引き受けてくれない?」

神田専務は昔から社内での一人称は『わたし』だ。それと、自分より年上の部下に対しても敬語でお話される。2人きりの時は『俺』なのだけど。
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