この結婚には愛しかない
「専務、その件は社長も仰られていましたが、秘書を付けるべきかと」

「必要とは思えないんですよね。新たに人を雇い入れる費用対効果を考えても」

「そうですか」


大森室長が言葉を濁す。我が社は社長と常務2人に秘書が付いているから、専務に付くのは当然だと思っていた。でも。


「私でよければ喜んでお受け致します」

「ありがとう。スケジュールアプリで小泉さんも共有してね。前日に次の日のスケジュールをメールでもチャットでもちょうだい。新しい予定は随時連絡するね」

「承知しました」


嬉しい!神田専務のお役に立てる。

と、ノック音の後社長が入室されたので慌てて立ち上がった。社長は私たちにお疲れ様と声をかけ、神田専務の隣に腰を下ろした。

今から始まる打ち合わせは社長も?気を引き締めなければ。


「神田専務独身でしたな。知り合いのお嬢さんにいい娘さんがいるんですがどうですか?」

「(独身...良かった)」

「いえ結構です」

「まあそう言わずに」と食い下がる社長。大森室長が私たちは席を外しましょうかと神田専務に申し出るも、そのままで構いません。と言いながら、困ったなと目が語る。
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