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謎の探偵は僕の耳元で

「グシは僕の彼女です…」

そうささやいた。僕は、

「グシを探すと幸せになれるよ」

とそう言ってみた。

「ホーイ」

「ホイ?」

「それでは本当の名刺を」

謎の探偵は一枚のチラシをそっと置いて出て行った。お芝居の宣伝のようなものだった。

「風のように去って行ったね」

「グー、ベイビー」

探偵ホイかぁ


自分のお店とやらに帰った。その頃の僕は、帰ってもたいして寝る場所も無く、かといって◯モ家業も二十歳過ぎてやるもんで無し。いやホモでなし。
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