溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「おや、お嬢様は俺が他の人にモテてたら嫌ですか?」


「え」


いきなり変な質問をしてくるからギョッとした。


「どうなんですか?」  


「嫌っていうか、心配っていうか」


「心配って?」


「な、なんでもないっ」


紫音がどこかに行っちゃうんじゃないかって心配なの、ってはっきり口にだしては言えなかった。


たとえば、彼が本気で望んだら他の家に仕えることだって充分出来るはずだから。


だって、私にはこれから先のことさえわからない。


使用人も雇えない我が家は没落まっしぐら、なんだから。


プイッてそっぽを向くと、いきなり後ろから軽々と抱き抱えられてびっくりした。 


「ひゃっ」


至近距離にはイケメンすぎる執事の大人びた顔。


これってお姫様抱っこ。


「ご心配にはおよびません」


彼は落ちつきはらった笑みをこぼしながら瞳を細める。


「へ?」

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