溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
まるで私の心を見透かしたように、耳元で優しく囁かれた。


「俺はあなたのものですから、どこへも行きません」


「……え?」


「安心しました?」


思わず吸い寄せられそうなくらいの色香を感じちゃう。


「う、うん」


顔が近いから照れ臭くてパッと目を逸らせてしまった。


180センチ以上ある紫音は152センチの私を軽々と抱き抱えたまま私の教室を目指して歩き出した。  


はたから見たら、大人と子供みたいに見られるんだろうな。


だけどさっきのはどういう意味?


俺はあなたのもの?それって?


執事である彼は主人の私に忠誠を誓ってくれるって意味なのかな。


ただ働きなのに、それでもいいの?


私は紫音になんにもしてあげれないのが申し訳なかった。


彼は生真面目なところがあるから、執事の仕事を放り出せないだけなのかも。
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