溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
今すぐは無理でも、いつか彼を解放してあげなくてはいけない気がする。


でもそれまでは、やっぱりまだそばにいてほしい。


「紫音、ありがと」


「素直ですね、お嬢様」


彼のフッと小さく笑った顔を見たら、胸の奥がふんわり暖かくなった。


「うん、あのね、私も紫音のものだよ」


彼にすごく感謝していたけど、なんにも返せないからせめてお礼のつもりでそう言った。


だけど彼は呆れたように私を見て首を横に振る。


「それは違いますよ」


「どうして?」


「若葉お嬢様は如月家の次期跡継ぎで俺はその執事です」


「そ、そうだけど」


「だからお嬢様は軽々しくそんなことを言ってはいけません」


「はあい」


彼があんまり真面目な顔で注意するから曖昧に笑って流した。


「けど、俺はそのお気持ちだけで充分嬉しいです」

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