溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「そばにいて、紫音」


うわあー、なんて重いことを言ってるの私ったら。


このタイミングで今そんなことを言わなくてもいいでしょ。


プレッシャーをかけちゃうみたいで、よくないよ。


けど、あんまり強く思いすぎていたからついつい口にだしちゃったのかな。


紫音と離れたくなかったから。


「かしこまりました、若葉お嬢様」


だけど、紫音は綺麗な笑みを浮かべ、あっさりと応じてくれた。


「なになにー？いまのプロポーズ？やだ、朝から見せつけてくれちゃって。空気あっつ」
　

結局、晶ちゃんに冷やかされるハメに。


「……」


私は真っ赤になってうまく返事が出来なかった。


はぁ、私って自分で思っているよりもずっと重い性格。


落ち着こうと、温かい紅茶を口に含んだらリンゴの甘酸っぱさとのどごしがいいやさしい味がした。


紫音のほうをこっそりと見たら、たいして気にしていないみたいだったからほっと胸をなでおろしたんだ。
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