溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「いつ出ていくかって……どうしてそんな……」


ギュッと強く握り締められるハンカチ。


「マジか……俺が他のみんなと同じだと思ってんのか」


口調が一瞬崩れるからハッとした。


え、もしかして怒ってる?


彼は普段から冷静な執事だけど、頭に血が昇ると年相応の言葉遣いがでちゃうみたい。


「お嬢様、執事の俺があなたを1人にすると本気で思ってるんですか?」


強い視線に捉えられると胸の奥がキュッとなる。


「え、えと、だってお金が払えなくなるから紫音もいなくなるんじゃないかって」


てっきりそう思い込んでいた。


紫音も他の人達と同じ考えだろうって。


「金なんて、どーでもいい」


「でも」


「俺はどこにも行かない」


「ほ、ほんと?」


もしいてくれるなら正直すごく嬉しいけど、彼がもし私に同情しているんだったら。
< 9 / 341 >

この作品をシェア

pagetop