溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「執事としてまだまだですね。これからはもっと気をつけます」


「あ、あの」


これからってどういうこと?


これからも、ここに執事としていてくれるの?


「い、いいの?」


「何がですか?」


でもまさかそんなことありえない。


彼だって他のみんなと同じように出て行くに決まってる。


だって、我が家の財政が傾いてからはどんなに信頼していた人達でも離れて行ってしまったもの。


もしかしたら、すぐにいなくなったら私が可哀想だから遠慮してる?


でもきっといつかは私の前から立ち去るつもりなんでしょ?


「紫音はいつ、出ていくの?」


「……」


「紫音もいなくなっちゃうんでしょ?」


「は?」


彼の手がピタリと止まり、驚いたように私を見つめる。


「若葉お嬢様、何言ってるんですか?」


表情を固くした彼の低い声が悲しそうに聞こえた。
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