元奴隷の悪役令嬢は完璧お兄様に溺愛される
 レインは強くなった。レインを知らないものは、はレインを無条件に血筋だけで愛されている姫君だと思うだろう。
 けれど、血統の良さだけで愛される、だなんてそんなはずありはしない。
 レインはいつだって、前を向くために一生懸命だ。
 その気高いひたむきさに心を打たれるから、誰もが彼女を好きになる。
 もう、レインはユリウスだけに守られるべき存在ではないのかもしれない。

「……リウス」
「……レイン……」
「ユリウス!」
「……なんですか、父上」
「ああ、よかった。聞こえていた」

 執務室。ほっとしたような、からかうような声音で、ユリウスの父である前アンダーサン公爵が言う。ユリウスはこのつかみどころのない父に対応するのが面倒になって、それで、と切り返した。
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