誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー

Nonfiction11

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劇が始まり、大幕が上がった。


たくさんの観客の拍手と、眩しくて熱いステージライト。


こんな世界に私がいるなんて、不思議な気持ちになりながらも、私は、練習通りに演技を始めた。


始めのシーンは、貧しい村で、家族と暮らす健気な村娘。

優しく思いやりに溢れた、大好きなお話の憧れたヒロイン。


「私、お手伝いしましょうか?」

「いいのかい?いつもありがとうね~」


村人役で次々現れる沢山のクラスメイトに声を掛け、

たくさん感謝されるのは、憧れのヒロインになれた気分で嬉しくて。


私はどんどん、物語の世界に入り込んでいった。
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