誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー
「妃花、次ドレスだよ!」
クラスメイトの言葉に、私はハッとして慌てて衣装替えに移った。
次はラストのパーティーのシーン。
着替えの時間を稼ぐため、
ここは王子のナレーションと映像で、
ここから王子と少女が培っていく両想いの期間を流している。
「よし、超綺麗!ラストシーンだよ!
かなり時間巻いてるみたいだから、ゆっくりでいいからね!」
優しく送り出してくれるクラスメイトに私は、泣きそうになりながら頷いた。
ラストシーン。
パーティー会場で、私は王子に拒絶され、突き放される。
このとき少女は、物分かりよく、この現実を受け入れているのだと思っていた。
だけど、少女が感じた絶望だって、今の私には理解できる。
一度夢を見てしまった。
近付きたい一緒にいたい、甘い言葉に流されてしまいたい。
そんな気持ちを持っていた少女が、突然突き放されたら…。
暗い気持ちで、私はステージではなく観客の座る体育館へと出る。
ドレスの美しさに、会場からは歓声が上がった。
「共に行こう」
「ええ」
同じく体育館にいた王子様の手をとり、階段を使ってステージへとエスコートしてもらう。
その差し出された優しい手に私は泣きそうになりながらその手を取った。
もうすぐ、この優しい手に拒絶されてしまう。
私の頭からは、今が劇の途中なんてことは消えてしまっていた。
クラスメイトの言葉に、私はハッとして慌てて衣装替えに移った。
次はラストのパーティーのシーン。
着替えの時間を稼ぐため、
ここは王子のナレーションと映像で、
ここから王子と少女が培っていく両想いの期間を流している。
「よし、超綺麗!ラストシーンだよ!
かなり時間巻いてるみたいだから、ゆっくりでいいからね!」
優しく送り出してくれるクラスメイトに私は、泣きそうになりながら頷いた。
ラストシーン。
パーティー会場で、私は王子に拒絶され、突き放される。
このとき少女は、物分かりよく、この現実を受け入れているのだと思っていた。
だけど、少女が感じた絶望だって、今の私には理解できる。
一度夢を見てしまった。
近付きたい一緒にいたい、甘い言葉に流されてしまいたい。
そんな気持ちを持っていた少女が、突然突き放されたら…。
暗い気持ちで、私はステージではなく観客の座る体育館へと出る。
ドレスの美しさに、会場からは歓声が上がった。
「共に行こう」
「ええ」
同じく体育館にいた王子様の手をとり、階段を使ってステージへとエスコートしてもらう。
その差し出された優しい手に私は泣きそうになりながらその手を取った。
もうすぐ、この優しい手に拒絶されてしまう。
私の頭からは、今が劇の途中なんてことは消えてしまっていた。