【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

すると藍くんは微笑んで、形のいい唇を開いた。


「なぁ、由瑠。俺らも愛してるゲームしよ」

「え、でも」


思いがけない提案に、わたしは藍くんの膝の上で慌てた。

あたふたしていると、藍くんが小さく首を傾げてわたしの顔を覗き込んでくる。


「しないの?」

「……うぅ……します」


だから、その上目づかい攻撃は反則過ぎると思う。

真正面からこの目で見つめられて、流されずに自我を保てる女子がいるのかな。


「じゃあ、俺からな。……愛してる」

「うっ」


わたしを見つめたまま放たれた「愛してる」に、初手からわたしの心臓は大ダメージ。


ああ、これ、わたしが愛してるって言われてるって勘違いしそうになる……。


でもこれはゲームなんだから……!と自分の心を奮い立たせ、震える唇を開く。


「あい、してる」
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