【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない




「ここ、俺の秘密基地みたいな場所なんだ。いいでしょ」


そう言って神崎くんがわたしを連れてきたのは、校舎の裏庭だった。


裏庭には一脚のベンチが置いてあるだけだけど、人も訪れないし快適に過ごせそう。

まさに秘密基地にはぴったり。


「ここに女子連れてきたの、中町さんが初めて」

「え……いいの? わたしなんかが初めてで」

「当たり前だよ。中町さんはトクベツだからね」


さらりと、どきっとするようなことを口にする神崎くん。


フレンドリーに距離を縮められ、緊張が解けていく。

まるで現世に降り立った天使さまみたい。
< 162 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop