【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
「ここ、俺の秘密基地みたいな場所なんだ。いいでしょ」
そう言って神崎くんがわたしを連れてきたのは、校舎の裏庭だった。
裏庭には一脚のベンチが置いてあるだけだけど、人も訪れないし快適に過ごせそう。
まさに秘密基地にはぴったり。
「ここに女子連れてきたの、中町さんが初めて」
「え……いいの? わたしなんかが初めてで」
「当たり前だよ。中町さんはトクベツだからね」
さらりと、どきっとするようなことを口にする神崎くん。
フレンドリーに距離を縮められ、緊張が解けていく。
まるで現世に降り立った天使さまみたい。