【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
「さ、座って」
「うん」
促されてベンチに座ると、神崎くんもその隣に腰を下ろした。
それからわたしはお弁当を広げ、神崎くんに差し出した。
「どうぞ!」
「悪いな……。ごめんね、大事なお弁当なのに。本当にいいの?」
「もちろん……! わたしはもう食べたし、神崎くんに食べてもらえたら嬉しいよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
神崎くんはお弁当箱入っていた割り箸でご飯をつまんだ。
そしてぱくっとそれを口に運ぶと、直後目を輝かせる。
「うまっ」
「本当?」
「うん、おいしい」
「へへ……、よかった」