【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
あれは高校1年生の時。
この高校には、お悩み相談BOXというものが生徒会室前に設置されている。
悩みを書いて箱に入れると、後日生徒会役員が返事を書いて、返信BOXの中に入れてくれるというものだ。
その頃、わたしはひとり暮らしを始めたばかりで、ひどい焦燥感に駆られていた。
息苦しいおばさんの家を出て、ようやくひとりになれると思っていたのに、バイトから真っ暗な部屋に帰ると、だれもいない静寂が作り出す独特な寒さが身と心に沁みた。
だれもおかえりなんて言ってくれない。
だれもわたしのことなんて待っていない。
そう思うと、なにをしていたってだれといたって、心の中に冷たい風が吹きすさんだ。
けれどこんな重い相談を、瑛麻ちゃんや担任の先生にはできなくて、匿名で投稿できるお悩み相談BOXを頼ったのだ。
だれでもいい。
だれかにこの孤独を理解してほしかった。