【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

『私は母に捨てられ、ひとり暮らしをしています。
毎日寂しくてたまりません。
心までもがどんどん孤独になっていくようです。
このまま私は空っぽな人間になってしまうのでしょうか。』


その投稿に返信がきたのは、1週間後のことだった。


正直返信は期待していなかった。

古く壊れかけた箱は、背景と同化してみんなに忘れ去られ、もう機能していないと思っていたから。

だからダメ元で返信BOXを確認して、返信が入っていたのを見つけた時はひどく驚いた。


一言用の小さな紙には、綺麗な字がびっしりと埋まっていた。


『お悩み相談を投稿してくれてありがとうございました。
俺には理解したくても到底理解できない、つらい現実と闘っているのですね。
孤独を知っている人は、その痛みがわかるからこそ人に優しくできる。強くなれる。
あなたの豊かな心は決して孤独ではありません。
1年 神崎朔』
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