【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

おいでと言ってわたしを呼び寄せる藍くんの声は、いつも以上に甘く、それに抗う術はないんだ。


名前を呼ばれ、さらに呼び寄せてくれるというダブルパンチに、ときめきを禁じ得ない。


「ぇっと……失礼、します」

「真面目か」


ふはっと空気を震わせて藍くんが笑う。


おずおずと彼へ歩み寄ったわたしは、不意に腕を掴まれ、なぜか藍くんの腿の間に座らされた。


「こ、これは……?」


後ろから抱きすくめられ、すぐ背後にいる藍くんに躊躇いながら聞くと。


「可愛すぎて保護。的な?」


うう、そんなの!

かっこよすぎて、わたしが藍くんのこと保護したいくらいなのに……!
< 247 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop