【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
おいでと言ってわたしを呼び寄せる藍くんの声は、いつも以上に甘く、それに抗う術はないんだ。
名前を呼ばれ、さらに呼び寄せてくれるというダブルパンチに、ときめきを禁じ得ない。
「ぇっと……失礼、します」
「真面目か」
ふはっと空気を震わせて藍くんが笑う。
おずおずと彼へ歩み寄ったわたしは、不意に腕を掴まれ、なぜか藍くんの腿の間に座らされた。
「こ、これは……?」
後ろから抱きすくめられ、すぐ背後にいる藍くんに躊躇いながら聞くと。
「可愛すぎて保護。的な?」
うう、そんなの!
かっこよすぎて、わたしが藍くんのこと保護したいくらいなのに……!